音楽も難易度も超ド級!名作レトロゲームでゲーム音楽の真髄を知れ




 

レトロゲームの名作BGMは良質なメロディの宝庫

こんにちは、

PCエンジンDUOが現役で動くサウンドクリエイター、ユーフルカで(@YouFulca)す。

 

今この記事を読んでくださっているあなたにとって、果たして

「レトロゲーム」とはいつごろの作品を指すものでしょうか?

 

20年前のゲームでしょうか?

 

20年前と言うと1997年。プレステ全盛期です。

あの「ファイナルファンタジーⅦ」が発売したのも97年でした。

 

私の世代(アラサー)からしたらプレステのゲームなんてのは最近の感覚です。

でも、ゲーム音楽としては確かにレトロな部類に入るでしょう。

 

いまやフルオーケストラの楽曲がふんだんに使われて当たり前の時代ですが

あの頃は同時発音数8音とか16音とか言っていた時代です。

 

30年前。私が思うレトロゲームはこの頃です。

ファミコンは同時発音数4音です。しかもその内一つは効果音などのノイズです。

 

つまりベースとメロディとあともう一音だけで音楽的要素を構成しなければ

ならなかったのです。しかも今のようにコンピュータも発達していません。

 

それはそれは大変であったと聞きます。

 

ですがそんな制限があったからこそ、非常にメロディアスで印象的なBGMが

生まれていたのもまた事実です。

 

ここではそんな80年代に生まれた、音楽が有名なゲームを、

ゲーム内容とともにご紹介します。

 

ウィザードリィ

仲間を集め地下迷宮を冒険し、その最下層10Fで待ち受ける魔道士ワードナを

倒しアミュレットを奪還するという目的のダンジョンRPG。

 

この世に存在するほぼ全てのダンジョンRPGの礎になった伝説的名作です。

この作品に堀井雄二さんが出会わなければ、ドラクエは生まれていませんでした。

 

最初に発売されたパソコン版には音楽は付いていませんが

ファミコン版には羽田健太郎先生の作曲された珠玉のBGMが実装されています。

 

取引が楽しみでたまらなくなるボルタック商店の曲や、スピード感溢れる戦闘曲など

どれも今聞いても全く色あせない名曲ばかりです。

 

そしてなんといってもあの荘厳なオープニングのメインテーマは感涙モノ。

 

運が悪ければ仲間が二度と生き返らない「ロスト」という恐怖の仕様はシリーズの伝統。

すなわち、キャラクターデータ消滅仕様。

 

ゲームオーバー時のジングルが妙に明るいのであまり絶望感がありませんが

ウィザードリィでの全滅はマジで挫けるので逆にプラマイゼロで丁度いいのかも

しれません…。

 

*おおっと* いしのなかにいる

 

ドルアーガの塔

日本にRPGという言葉が生まれたばかりの頃、最初にスマッシュヒットを飛ばしたRPG(の原型)だと

言われています。

↑日本で始めて商業的に成功しRPGを普及させたのは「ザ・ブラックオニキス」のようです。

こちらはアーケード作品に初めてRPG要素を持ち込んだゲームです。

 

既に発売されていたクリスタルソフトの「夢幻の心臓」と合わせて、後に日本三大RPGと呼ばれる

ようになる、「ドラゴンスレイヤー」と「ハイドライド」が発売される、ほんの少し前です。

 

今で言うコマンド式のRPGでは無く、ゼルダなどのアクションRPGに近いです。

 

各階でアイテムを入手しながら主人公ギルを強化し、59階のドルアーガ討伐

そして60階にいるカイの救出が最終目的です。

 

当時この手のゲームは「ノーヒント上等」「難しくて当たり前」という時代でした。

このドルアーガの塔も例に漏れず、アイテムの入手法がノーヒントです。

 

「そんなもんわかるわけねぇだろ!!」と言いたくなる裏技まがいの操作をしなければ

重要なアイテムを入手できず、普通に詰みます。

(例:敵の攻撃を何回受ける、○○という敵と○回交差する、○○で剣を出し入れするなど)

 

ゲーム中のBGMは軽快ですぐに口ずさめるほど印象的なのですが

その理不尽ともいえる難易度のおかげで何回もゲームオーバーになるため

クリアできる頃にはゲームオーバージングルが頭から離れなくなっています。

 

ちなみにこのゲームの制作者であるゲームクリエイターの巨匠、遠藤雅伸氏は

やはりこの頃既にRPGマニアであり、この直後に「ウィザードリィ」のファミコン移植に

携わることになるそうです。

悪魔城伝説

89年にコナミから発売された悪魔城ドラキュラシリーズの名作アクション。

 

このソフトの特徴はなんと言ってもVRC6という拡張音源を使用した

超絶ハイクオリティなBGMです。

 

前述したとおり本来ファミコンというのは3和音+ノイズしか出せない仕様。

ところがこのゲームは、カセットそのものに拡張音源チップを搭載しており

それよりさらに3音も多く鳴らせるようになっているのです。

 

ファミコン音源に慣れていると、一世代後のPCエンジンかスーパーファミコンの

ゲームでは無いかと錯覚するほど豪華なサウンドになっています。

 

コナミのサウンドスタッフは、この追加された3音を安易にパートに振り分けた

わけではありません。一部を音楽的な「ディレイ」、つまりエフェクターとして使用したのです。

 

ファミコンには、「ディレイ」や「リバーブ」といった、今では当たり前に使っている

音楽的エフェクトの機能は付いていませんでした。

 

当時それをどうやって表現していたかと言うと、メロディパートと全く同じメロディを

別パートで演奏し、片方を微妙に時間差で遅らせて、さらにピッチを少しずらして

再生していたのです。そうすることでメロディに奥行きと厚みを出せたのです。

 

いわば人工ディレイですね。

 

ですがこれをファミコンでやると、メロディに3音のうち2音持っていかれるわけですから

ディレイ中は実質メロディ、ベース、ドラムの3パートしか演奏できませんでした。

 

そこにきて悪魔城伝説は、常時非常に分厚く奥行きのあるサウンドを奏でられたのです。

さらにバスドラムとスネアはサンプリングを使用した本物の電子ドラムの音を使っています。

 

そこに超ハイレベルな作曲陣が参加しているわけですからやばいほどカッコイイ。

 

特に1面スタート時の「Prayer」から「Beginning」の流れは今聞いても鳥肌モノです。

その他「時計塔」「リドル」など、まさに捨て曲無しの名作アクションゲームです。

 

ただしクッソ難しいです。

 

余談ですが海外版のファミコン、NESのカートリッジはソフトの形の都合で

この素晴らしい拡張音源が積めなかったため、チープなBGMになってます。

外人かわいそう。

 

 

ドラえもん ギガゾンビの逆襲





ドラえもんがテーマの低年齢向け作品と思ってプレイすると

度肝を抜かれるほど素晴らしい曲ばかりでびっくりする作品。

 

厳密に言うと92年の作品。かなりファミコン後期です。

 

また、ドラえもんゲームの中では珍しいドラクエスタイルのRPGです。

 

魔界、海底、地底…と、ドラえもんの映画の舞台になった世界を移動して

仲間を助けながら冒険していくのですが、このフィールドのBGMが

軒並み素晴らしく、一度プレイすると耳から離れないほど印象的です。

 

特にジャイアンを追ってたどり着く地底(竜の騎士の舞台)フィールドは

有名で、RPG史に残る名作フィールドBGMとして愛されています。

 

また通常戦闘のBGMも、ドラえもんなのに非常にロックな感じです(笑)。

そしてこのゲーム、面白いのがいわゆる「会心の一撃」を放った瞬間のメッセージ。

 

「ドラえもんは がんばった!!」

 

 

いつも頑張れや!!

 

と突っ込まざるを得ません。

 

難易度としては、若干エンカウント率が高いものの、非常にバランスがよく

安心して遊べるゲームになっています。

 

ただ変なところに原作忠実再現のこだわりがあるのか、のび太は仲間になるとき

レベル1です。その時ドラえもんと主人公のレベルは大体12~15くらいです。

 

のび太が攻撃されませんように、と祈りながらしばらくレベル上げしなければなりません。

そして大体攻撃され一撃で沈みます。

 

深海に漂う藻屑…澱み…!!

 

 

邪聖剣ネクロマンサー

PCエンジンで初めて発売された名作(迷作)。

 

「夜、一人では遊ばないでください」というCMのキャッチコピーが有名な

ホラーテイストのロールプレイングゲーム。

 

大陸を渡るたびに敵の戦闘力が跳ね上がる修行仕様。

 

ドラゴンボールで例えると、最初の町でやっとラディッツを倒せるようになったのに

次の町周辺でギニュー特戦隊が襲ってくるイメージ。

 

当時としては珍しく、敵を倒したときブシュー!と血しぶきが飛ぶアニメーション付き。

 

あまり知られていませんが、クトゥルフ神話を題材としていて、

ナイアラトテップやヨグソートスなどがボスとして登場します。ラスボスがアザトース。

 

町のテーマやフィールドのテーマが軽快で明るくて特徴的なのですが、ダンジョンや戦闘の曲、

またそのダークな世界観も影響してか、なんとなくどれを聞いても不安になってくる不思議。

 

ドラクエ3と似ていて、最初にパーティメンバーを任意で二人選ぶシステムなのですが

ここで既に最初にして最大の地雷が待っています。

 

大体こういう時ってRPG慣れてる人だと、

主人公は万能型だろうから、他のキャラは戦士タイプと魔法タイプを一人ずつ…

とかって思いがちですよね。

 

 

コレが最大の罠です。

 

 

この時、一見頼りになりそうな脳筋タイプのバロンを選んでしまうと、冒険中盤以降

コイツがニート化して使い物にならなくなり詰みます。

 

原因は素早さの低さ。

 

このゲームは素早さゲーで、素早さが足りないといくら強くても攻撃が当たりません。

そこに来て素早さの成長が著しく低いバロンは、文字通り攻撃力高いだけの粗大ごみと化します。

 

正解は盗賊タイプで素早さがカンストするマイストと魔法使いのライム。

こいつらを選んでおけば他のやつらよりはいくらかマシな冒険が出来ます。

 

…もっとも、この一番マシなマイストにおいても、素早さが成長しすぎてやがて初期値に戻るという

嫌がらせみたいなバグがあるのですが、少なくともバロンよりはマシでした。

 

厳しすぎる戦闘バランス、ノーヒントすぎる最強装備の入手法など、数々の嫌がらせを乗り越え

やっとたどり着いた先に見ることの出来る後味の悪すぎるエンディングも、一見の価値あり。

 

 

昔のゲームって、制限の中で作られた音楽のクオリティもさることながら

その難易度が超絶的に高かったりするので、イヤでも死ぬほど曲聞かされます(笑)。

 

今の「どこでもセーブ仕様」では決して味わえないレトロゲームの冒険を

あなたも今こそ味わってみてはいかがでしょうか。

 

レトロゲームのプレイは、公式エミュレータのサービスである

Projectr EGGがオススメです。

 

きっとあなたの知らないレトロゲームの世界が広がっています。

 

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“音楽も難易度も超ド級!名作レトロゲームでゲーム音楽の真髄を知れ” への1件の返信

  1. いやぁ……
    ファミコンに近い時代ののゲームっていいですよね〜。
    あの時の自分で発見しては考えてを繰り返すゲームバランスが最高でしたね。

    ドラクエ Iとかを例に出すならロトの鎧はどこにあるのか、竜王の城に行く為には何を集めればいいのかを街の人から聞いたりして、進み過ぎては敵が強すぎてラダトーム城にデスルーラする。

    なんて言うくらいの難易度があってもいいんですけどね……
    最近のゲームはやけにクリアし易い……
    (一概に悪いという訳では無いですが……(^^; あ、長文すみませんでした。)

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