効果音の作り方・基礎知識【サウンドクリエイターの必須スキル】




効果音の作り方・基礎知識【サウンドクリエイターの必須スキル】

 

こんにちは、サウンドクリエイターのユーフルカ(@YouFulca)です。

 

 

サウンドクリエイターになってから、パチンコ用からゲーム用まで

 

冗談抜きで数千個の効果音を作ってきました。

 

 

音楽やアレンジ、コード理論について記載するブログは数あれど、

 

効果音について語るクリエイターはあまり多くありません。

 

 

作曲かやアレンジャーは音楽を作るのが仕事ですが、

 

サウンドクリエイターはその限りではありません。

 

効果音制作もサウンドクリエイターの重要な仕事の一つです。

 

 

今回は、あまり語られることのない効果音についての基礎知識を

 

解説したいと思います。

 

 

これは完全に私の理論ですが、現代の効果音には

 

大きく分けて以下のような3つのカテゴリがあると考えています。

 

  1. ノーマル効果音
  2. デフォルメ効果音
  3. パチンコ・パチスロ効果音

 

順に解説していきます。

 


ノーマル効果音

 

ノーマル効果音と言うのは、ざっくり言うと実世界にある音、

 

日常にあふれている普通の音の事です。

 

 

例えば、ドアが閉まる音、足音、

 

車が走る音、飛行機が飛ぶ音、電車の音、

 

本をめくる音、鍵を閉める音、などなど…

 

 

これらの音は、特にシンセで作ったり

 

波形を細かく編集するなどという凝ったことを

 

あまりする必要が無い、いわば場面そのまま、見たままの音です。

 

 

こういった音は、ゲームや映画に当て込む場合、

 

予算や時間があるプロジェクトであれば、マイクを持って

 

わざわざ専用に音を録音するという事もできます。

 

 

例えば「モンスターハンター」などでは森や川の環境音を録音したり

 

「エースコンバット」のような戦闘機のゲームでは、自衛隊の基地に

 

わざわざ出向いて、本物のエンジン音を録音したそうです。

 

 

ただ、こういったことができるのは前述したとおり

 

かなりの予算があり時間的にも余裕のあるものだけです。

 

 

そうでないゲームや、B級映画の場合はどうするのでしょうか?

 

 

プロ仕様の効果音素材集を使います。

 

 

プロ仕様の素材集として有名なものでは

 

「ハリウッド・エッジ」や「シリーズ6000」があります。

 

参考リンク

ハリウッドエッジの素材集一覧

シリーズ6000の素材集一覧

 

 

この中には、先ほど書いた実世界に存在する音が

 

細かくカテゴライズされて収録されています。

 

 

例えば車の音にしても、ホンダ、リンカーン、グランダムなど

 

車種別に分けられていたり、

 

重火器用の素材集を買うと、アサルトライフルAK47やM60機関銃など

 

銃の種類別に分けられて収録されています。

 

 

こういった素材集の音を組み合わせて、その場面に合うような

 

音を作り上げていくのが一般的な手法となります。

 

 

例えば、次の動画を見てみてください。

 

 

これは、私が実際にハリウッドエッジやシリーズ6000の中に収録されている素材だけを

 

組み合わせて作った、ホラーゲーム風の体感動画です。

 

 

足音、雨や風の環境音、ドアや時計、引き出し、本など、様々な素材を

 

いくつも重ねて、リバーブを使って空間を再現しています。

 

 


デフォルメ効果音

 

デフォルメ効果音とは、この世に存在しない音です。

 

 

例えば、ドラゴンボールで悟空が放つ「かめはめ波」、

 

スレイヤーズでリナが放つ「ドラグ=スレイブ」などの

 

必殺技や魔法を放つときの効果音であったり、

 

 

ワンピースでルフィがジャンプする時の「バシュー!」

 

などといった感じの、実際には鳴らないような音です。

 

現実世界でジャンプしてもそんな音はなりませんよね。

 

 

こういった音を作る場合は、まず一つは、

 

実際の音の波形を加工するという手法があります。

 

 

例えば何かを放つ音を作りたい場合は土台として「爆発音」を

 

選び、そこに様々な加工をした波形を重ねて行ったりします。

 

 

もう一つは、シンセサイザーを使った音作りです。

 

例えば技を放つ前に両手にエネルギーをチャージする時のような、

 

「ヴィヴィヴィヴィヴィ…」といった音は、基本シンセサイザーです。

 

 

特にアニメの場合は、波形とシンセの音を合成して作られている

 

印象的な効果音が多いです。

 

 

前述したドラゴンボール、スレイヤーズ、ワンピースの効果音は

 

実は全てフィズサウンドクリエイションという会社が音を付けています。

 

厳密に言うと、全て新井秀徳さんという方です。

 

 

全く違う作品ですがところどころ同じ効果音が使われていて、

 

例えば孫悟空がスーパーサイヤ人になる時の音と、スレイヤーズの

 

リナ=インバースが神滅斬(ラグナ・ブレード)を放つ音は同じです。

 

 

どんな場面にどんな音が共通して鳴るか、聴き比べてみましょう。

 

 

シンセサイザーを使った効果音作りは、次の動画をご覧ください。

 

 

 


パチンコ・パチスロ効果音

 

最後のパチンコ・パチスロ効果音ですが、

 

これはデフォルメ効果音の一種と考えられます。

 

 

ただし、これはデフォルメ効果音の発展形で、

 

極端な足し算と緻密な引き算の後に出来上がる音です。

 

 

パチンコ・パチスロの効果音は、基本的に激しい音が

 

求められるのですが、激しいだけでは不十分です。

 

 

パチンコ・パチスロ効果音の中で特に重要な要素が三つあります。

 

  1. 強烈さ
  2. 中毒性

 

1の「強烈さ」に関しては前述したとおりです。

 

パチンコは大当たりを期待させる演出が発生すると、基本的には

 

非常に強烈な音を鳴らすことで遊戯者に告知します。

 

 

2の「中毒性」は、パチンコ・パチスロ効果音が他の効果音と

 

差別化される大きな要素の一つです。

 

遊戯する人が「あの音をもう一度聞きたい」と思えるような、

 

脳内で再生できるような、覚えやすく口ずさめるような音です。

 

 

3の「間」は、最も難しく、かつ重要な要素です。

 

パチンコにはスーパーリーチに代表される、大当たりを期待させる

 

演出があり、いよいよ当落分岐直前というところで「煽り」が入ります。

 

その「煽り」と「当落」の間がこの「間」です。

 

 

この「間」に一定の正解というものはなく、一言で言うなら

 

「その映像と音を合わせた時に気持ちいいかどうか」

 

これを体得できるようになるには、1年はかかります。

 

 

 

パチンコの効果音は独特の手法と発想法で作られているため、

 

パチンコの効果音を作れる人はゲームの効果音も作れますが、

 

ゲームの効果音が作れる人でも、すぐにパチンコ効果音は作れません。

 

参考記事

これがパチンコ・パチスロ遊技機サウンドの作り方の超基礎 5つの基本だ!

 

 


まとめ

いかがでしたでしょうか。

 

 

効果音の世界は奥が深く、

 

音楽が作れるから効果音も作れるというわけではありません。

 

 

効果音には効果音のセオリーや考え方があり、

 

例え「それっぽい音」を作ることができたとしても、

 

それを映像にあててみると…全然合っていなかったりします。

 

 

一から効果音を作って映像にに当て込む動画をアップしているので、

 

是非参考にしてみてください。

 

 


動画解説

 

 

ノーマル効果音とデフォルメ効果音を組み合わせた実技と解説

 

 

 

<合わせて読みたい>

ゲームの効果音の作り方・アナログシンセの使い方【MS-20 mini】

効果音で人は癒される~環境音と足音①

 




ここまで読んでいただきありがとうございました!
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