SFC音源の作り方!DTMでスーファミを再現しよう 前編~基礎知識と準備




これがスーファミ風ゲーム音楽

こんにちは。

バリバリのスーファミ世代サウンドクリエイターのユーフルカ(@YouFulca)です。

スーファミのRPGを忠実再現したBGM素材集を売っている程度に、スーファミ音楽が好きです。

 

初めて買ったCDはFF6のサントラでした。

 

スーファミの音楽って、どこかこもった感じがするけど、

それでいて力強くて非常に味わい深い独特の音質をもっていますよね。

 

何よりファミコンから比べると格段にリアルなサウンドに進化しています。

私は今でもスーファミの名作のサントラは大好きでよく聞きます。

 

こちらのスーファミの某RPGの戦闘曲をお聞きください↓

 

 

 

d(*´∀`)b  うそです +.:*・゜゚・*:.

これ、私がスーファミのゲーム音楽風に作った曲です。

 

ですが市販のスーファミ音源やサウンドフォントを使用したわけでもありません。

 

ましてやスーファミのゲームのデータを吸い出したわけでもなく、

何かのゲームの音源を利用してもいません。

 

そう、スーファミ音源はDTMで再現できるのです。

 

今回は、比較的再現が難しいと思われがちなSFC音源の再現方法について

解説していきたいと思っています。

 

今回は前編として、基礎知識と音源の準備までを解説します。

スーファミの音源スペックを知ろう

ファミコン音楽を作るうえでファミコンの仕様を理解する必要があるのと同様、

スーファミ風の音楽を作るにはスーファミの音源スペックを理解するのが近道です。

 


■スーファミ音源チップのスペック(wikipediaより)

 

コレに加えて、なんとディレイ(最大240ms)やリバーブなどといった

空間エフェクトも使用することができます。

 

ディレイのために1パートつぶす必要があったファミコンから凄い進化です。

 

極小容量のPCM(サンプリング)音源




ファミコンは同時発音数3音のPSG音源という方式でした。

ファミコン本体にシンセが内蔵されており、どのソフトで遊んでも同じ音がほぼ出ます。

 

それに対してスーパーファミコンの音源は、同時発音数8音のPCM音源。

いわゆるサンプリング音源です。

 

実際の楽器の音を録音したものをソフトごとに組み込んで鳴らします。

 

それゆえ、ゲームごとに楽器の音色が違ったりします。

 

「あのゲームの音は豪華なのに、このゲームはなんかマヌケな音がするなあ…」

ということが起こるわけですね。

 

(気になる人はパペパプーで検索してみよう!)

 

その辺は、当時のプログラマーのセンスや

サウンド担当者のサンプリング技術、波形編集技術によるものです。

 

サンプリング形式は32khzの16bitモノラル。

(スーファミ本体からの出音はステレオ)

 

実装する際にさらにBRRという形式で圧縮されます。

この時にあのザラついた独特の音質になるんですね。

 

「リアルな音を録音して使えるなら最高ジャン!」と思いがちですが、

ちょっと待ってください。

 

1990年当時のゲームの容量をナメたらいけません。

 

サウンドに許されたその容量、なんと64KB。

 

64MBではありません。

 

64 KB です。

 

サンプリング可能な時間は…

 

約 5 秒

 

一つの音色についてじゃないですよ?

 

ストリングス、ベース、ドラム、効果音や音声その他もろもろ全て合わせて合計5秒です。

(もちろん圧縮されているためwavのように大きなデータは無いですが)

 

このため、当時のサウンドスタッフは各音色のサンプル0.1秒削るのに必死でした。

あっちを使えばこっちが使えず…

 

…。

 

そんなメンドくせえ音源を簡単に再現できるのか!?

 

安心してください。

最新のDTM技術を使えば、それは可能なのです。

 

「いや5秒しか録音できないのにどうやって音楽を作るんだよ!?」

ってことで、具体的にその方法を解説していきます。

 

すでに勘の良い方はお気づきかもしれませんが、スーファミはサンプリング方式なので、

それをDTM再現するにはサンプラーというものを使うわけですね。

 

当たり前ですがデータ容量64KB、時間5秒という制限を、

そこまで神経質に気にする必要もありません(笑)

 

あくまで当時の環境を知った上でその制限を意識して近づければ良いわけです。

 

何はともあれ、使うソフトと素材を準備しよう

今回使用するサンプラーソフトはKONTAKT5。

あれば非常に重宝する有名なソフトなので、プロアマ問わず愛されています。

 

Native Instrument のKOMPLETEバンドルに含まれています。

DAWはなんでも構いません。私はCubaseを使用します。

 

KONTAKT専用音源が多く発売されているせいで、まるでマルチ音源のように

認識されがちなこのKONTAKTですが、その真髄はサンプラー部分を使いこなして

初めて理解できると言えるでしょう。

 

実際に音源をサンプリングしてみよう

さて、実際に曲に使う楽器の音を用意しましょう。

 

一般的なRPGの戦闘のBGMを想定した場合、どんな楽器が必要でしょうか。

  • ストリングス
  • トランペット
  • ベース
  • オープンハイハット
  • クローズハイハット
  • クラッシュシンバル
  • タム
  • キック
  • スネア
  • フルート
  • ハープ
  • ディストーションギター

まあこんな感じでしょう(冒頭のサンプル曲と同じ)。

 

何はともあれ、こいつらをスーファミの音源仕様に沿った形で録音します。

 

おさらいですが、スーファミにサンプリングできる音は

32khz 16bit モノラル形式となっています。

特に何も難しく考える必要はありません。

 

KONTAKTのファクトリーライブラリーなどから音色を選んで、

 

ノートを打ち込んで、32khz 16bit モノラルで書き出せばいいだけです。

 

※この段階ではまだ曲を打ち込むわけではありません。

好きな音源がある人はそちらを選んでもかまいません。

 

「スーファミは昔の音源だからチープな音を選んだほうが良いのでは?」

 

と思うかもしれませんが、むしろ逆です。

 

サンプリング音源の品質というのはそのソース(元データ)の音質によって左右されますので

当時も各メーカーでできるだけ良い音をサンプリングしようとしたはずです。

 

なので、ここは当時のスタッフの気持ちになってリアルな音に近い音源を選びましょう。

サンプリングする素材によってまったく印象が変わるので、いろいろ試してみるのも楽しいです。


■KONTAKTに付属するファクトリーライブラリーのストリングス。残響はOFFした方が良い。

 

このときのコツですが、

できるだけその楽器のオイシイ音域(よく使用する音域)を録音することです。

 

例えばストリングスの場合、G4~C5あたりをサンプリングすると良いです。

 

スーファミの64kbという容量の都合上、よほどの事情でもなければ

音域の広い楽器でも一つのサンプルを使いまわし節約するという苦労があり

高すぎる音域でサンプリングすると中域より下で鳴らすと非常に音が不明瞭になり

逆にサンプリングが低域すぎると高域で鳴らしたときに凄くチープな音になります。

 

例えばファイナルファンタジー6など壮大なオーケストラを表現した作品では、

いくらなんでもストリングス全音域を一つのサンプルでは補えないため、

チェロなど低域用のストリングスと、ビオラ以上の音域を担当するストリングスで

サンプルが分けられているようです。

 

またモノラルなので、デフォルトで設定されているリバーブなどはOFFにしましょう。

ひとまず5秒制限は忘れてもらって、まあ1秒程度書き出せばOKです。

※ここで打ち込んだノートは後々必要になるので、ファイル名につけるなどして記録しましょう!

(例:strings-A4、Bass-C1など)

 


■A4のノートを1秒程度、32khz、16bitモノラルで書き出してサンプリング終了。

 

コレと同様に、他の楽器も一つずつ書き出していきましょう。

ドラムセットを同じように、ハット、シンバル、スネアなど一つずつ書き出します。

 

ちなみに私は、書き出すトラックに低域と高域をカットしたEQをかけています。

個人的にこの方がなんとなくスーファミっぽく劣化した感じが出る気がしているのですが、

別に必須ではないと思います。

 


■例えばあるSFC音源のストリングスをA4で鳴らしてみると7khzあたりからガクっと落ちる。

 

出来上がったものがこちらになります。


■波形で見るとこんな感じ

これらを、KONTAKTに読み込ませて使うことになります。

 

さて素材の準備ができたところで今回はここまで。

次回はいよいよKONTAKTを使って各楽器を音楽に使えるように設定します。

 

後編に続く!

 

 

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ここまで読んでいただきありがとうございました!
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