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そろそろアニメ業界も名脇役にスポットライトを当てるべき
こんにちは、サウンドクリエイターのユーフルカ(@YouFulca)です。
最近は、テレビドラマなんかでもあえて今を輝くイケメンや美女を起用せず
バイプレイヤー、つまり名脇役に焦点を当てた作品が増えています。
そこで私は声を大にして言いたい。
アニメ業界!!見習え!!(# ゚Д゚)
どれもこれも聞いたことのあるような声ばっかり充てやがって!!!
声優雑誌の表紙を飾るのはイケメンと美女じゃなくてもいいよ!!
もうその人たちの事知ってる人はこの世に腐るほどいるよ!!
演技力のある他の声優さんの存在を、もっともっとアピールしてくれよ!!
声優さんってこの世に50人くらいしかいないんですかーーーーーーーーーーー!!?
はぁ…はぁ…(;´Д`)
すいません取り乱しました。
「いや、名脇役もちゃんとスポットライト当たってるよ!」
っておっしゃる方もいるかもしれませんが。
そら何人かはいるかもしれません。
でも、それメインの中の脇役ですよね。
スラムダンクで言うと水戸とかでしょ?
それほぼメインやないか!
「敵の監督役には名脇役として活躍する個性派声優の△△を起用!」
みたいな売り方、実写ドラマとか以外で見たこと無いですよ私。
だってこのページ見てくださいよ。
1位、石田彰さん
2位、若本規夫さん
3位、坂口大助さん
・・・その下、子安武人さんだの三木眞一郎さんだのが続いています。
…私が何が言いたいかわかりますよね。
やっぱりメインどころばっかりじゃねえか!!(# ゚Д゚)
いや百歩譲って若本さんとか千葉さんはわかるよ!
たしかに名脇役だしあまり主人公とかやらないよね!!やってたけど!!
でもそういうことじゃねえんだよ!!
名脇役ってのは、作品紹介ページに載ってないようなキャラを
いつも担当するんだけど、いてくれるとすごく安心感がある…
そんな縁の下の力持ち的ポジションの役者さんのことでしょうが!!
※一応言っときますが個人の意見です。
あ、具体的な名前はこれから挙げます。
名脇役と呼ばれる人たちの演技力は尋常ではない
私は仕事柄声優さんの音声収録現場に行くことがあります。
今年も合計15日ほど収録現場に行きました。
主役級の、今をときめく声優さん、アイドル声優さんの演技や声、
今までたくさん生で聞いて、見てきました。
正直ものすごく華があります。
もう普通の会話の声ですらうっとりするレベルです。
ああ、これぞ主役級の主役級たる所以か、と納得してしまいます。
ですが、当然そういう方というのは全声優の中では一握りです。
そりゃそうですよね、メインキャストよりその他大勢のほうが多いんですから。
一方、なぜか実写ドラマの俳優さんは結構注目されているのに
声優業界においては世間からはほとんど注目されていない方々がいます。
「バイプレイヤー」と呼ばれる方々です。
そう、いわゆる名脇役です。
バイプレイヤーと呼ばれる方々の収録現場に参加してみてくださいよ、
と言いたい。もうマジでこれビックリしますよ。
名脇役の尋常ではない技術① 七変化
俳優さんに「カメレオン俳優」と呼ばれる、役柄によってまったく
異なる印象を残す方がいます。山田孝之さんなどがそうです。
声優さんにもそのような方がいらっしゃいます。
声優さんは、見た目ではなく声で勝負する世界です。
声と演技だけで、まったく違う人間にならないといけません。
名脇役という人は、ひとつの作品に何役も
兼ね役で出演されることが多いのですが、
本当に同じ人がやっているのか、というレベルで
現場でもまったく違うキャラクターに一瞬で成り代わります。
まるで魔法使いの変身を目の当たりにしているようです。
信じられないかもしれませんが、
赤ん坊、10代女性、10代男性、中年男性に中年女性、老人男性、老人女性
これらすべてを一人でこなすことのできる声優さんもいます。しかも男性で。
下和田ヒロキさんなどがそうです。
確かに先ほどのランキング1位の石田彰さんもこの技術をお持ちです。
一度サンプルボイスをお聞きください。衝撃を受けることでしょう。
名脇役の尋常ではない技術② 主役に華を持たせる声と演技
もうひとつの名脇役タイプは、実写ドラマ系のバイプレイヤーに近いです。
声のトーンとか雰囲気みたいなのは、一貫してます。
「あ、あの人だ!」とわかる声、演技をお持ちの方という意味です。
このタイプの名脇役の何がすごいかというと、
とにかく主役に華を持たせるのが上手すぎるというところです。
この人が同じシーンにいることで、主役やメインキャラがめっちゃ輝きます。
いわゆる巷で言われる「いい声」とか「憧れる声」ではないんです。
だからこそ主役の輝きが際立つんです。
ですがしっかり存在感はあるんです。いると安心するんです。
何度も言いますが、声だけの演技の世界の話です。
すごくないですか?
このタイプの声優さんで私が大好きなのは、長嶝高士(ながさこたかし)さんです。
この方、調べてみるわかると思いますが、
古今東西、とんでもねぇ数の作品に脇役として出演されています。
この10年だけで、テレビアニメだけで約100作品に出演されています。
テレビアニメだけで100作品ですよ!?
おそらく皆さんも、この方の名前は知らずとも
必ずどこかで聞いたことのある声だと思います。
それだけ現場の信頼も厚いということです。
こういう人でしょ!!名脇役って!!
ちなみに今から約20年前に放送されていた、私が大好きな
「スレイヤーズ」というアニメがあるのですが、そのシリーズにも
これでもかというほど出演されておりました。
私はこの方の演じる、「どこか頼りないけど気のいいオヤジ」とか
「ぶっきらぼうな町のパン屋」みたいなキャラが大好きです。
本当によくある設定の脇役なんですが、こういうキャラといえば長嶝さんのイメージ。
昔ある仕事で、長嶝さんをあるキャラクターの声で起用させていただくことになり、
麻布十番のアオイスタジオでお会いしたことがあります。
その際、思わず「ファンです!これからもがんばってください!」とご挨拶した時
「えェ!?」と声を出して驚いていた長嶝さんのあの表情は今でも忘れません(笑)
すごくおおらかで暖かい方で、演技に性格が表れる代表みたいな方でした。
「悪役だけどどこか憎めない」キャラとか最高にはまります!
まとめ:声優版「バイプレイヤーズ」がマジで見たい、聞きたい。
テレビ東京のドラマで最近やっていた
「バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~」
という作品があります。
遠藤憲一さん、大杉漣さん、田口トモロヲさん、寺島進さん、松重豊さん、光石研さん
という文字通りバイプレイヤーがキャスト名=役名で出演されているドラマで
すごく面白かったです。
単純に、これの声優版が聞きたい。
声優が主人公の作品もあるんだから、声優版バイプレイヤーがあってもいいじゃないか!
長嶝高士さんはもちろん、武虎さんとか酒井敬幸さん、大御所で言うと二又一成さんとか
とにかく名脇役が主役になって活躍する作品、そろそろ出してもいいと思います。
華のある声ばかりが声優さんじゃないのです。
声優さんである以前に、俳優さんなのです。
華を持たせるのも大切な声優さんの仕事です。
皆さんも、アニメのエンドロールで主役にばかり注目せずに
2ページ目、3ページ目の声優さんに注目してみて下さい。
1ページ目にはいないけど、いっつも2ページ目にある同じ名前。
違う役名だけど、違う作品だけど、何故かいっつも2ページ目に名前がある人。
その人こそ伝説の名脇役です。
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