ゲーム音楽界のレジェンド④古代祐三さん




こんにちは、サウンドクリエイターのユーフルカ(@YouFulca)です。

 

伊藤賢治さんに続いて、日本ゲーム音楽の発展を語る上ではずすことの出来ぬ

最初の巨人、日本ファルコムが生んだ巨匠、古代祐三さんです。

 

第四回 古代祐三さん

ゲーム音楽作曲家として名をはせたのは植松さん達よりも前の世代になるため、

若い世代はご存知ないかもしれませんが、

 

この人こそ最初にゲーム音楽クリエイターと言う職業を世に知らしめたと言われているほど

ゲーム音楽史の中では伝説的な作曲家・サウンドクリエイターです。

 

ゲーム音楽を志す者が、古代さんについて何も知らないなんて言語道断。

 

古代さんがデビューしたのは1986年。

 

いまや「イース」、「英雄伝説」シリーズで有名な日本ファルコムの

パソコン用RPG「ザナドゥ シナリオ2」に就職試験用のデモテープが

そのまま採用されるという、最初から伝説めいたきっかけで商業作品デビューされたそうです。

 

古代さんファンの間では有名ですが、彼は日本の誇る巨匠

久石譲先生の弟子ということもあり、申し分ない音楽知識とセンスは持ち合わせていたようですが、

 

氏の持っていたUSPはむしろ作曲以外。プログラミングのノウハウであったそうです。

 

当時存在していたFM音源チップのスペックを最大限に活かし、さながら「FM音源の魔術師」のごとく

誰も想像もしないような発想で超絶カッコイイ音楽を次々と生み出していきました。

 

その代表作が日本ファルコムから発売された伝説のアクションRPG「イース」です。

 

そしてわずか2年という期間でフリーランスに転進、

スーパーファミコンの伝説の名作アクション「アクトレイザー」の音楽を生み出します。

 

「アクトレイザー」はスーパーファミコンとほぼ同時期に発売されたため、

世間的に「スーファミの音といえばこんな感じ」という認識がまだあまり無い時期でしたが、

 

その超リアルサウンドを最初に聞いた同業他社のサウンドチームは

文字通り尋常ではない衝撃を受けたそうです。

 

最も有名な伝説が、当時ファイナルファンタジー4を開発中であったスクウェアのチームにいた

植松伸夫さんの語った逸話です。

 

氏いわく

「あれはゲーム業界史に残る一つの事件だった」

「完全に負けていた。サンプリングを一からやり直した」

などなど。

 

またとあるゲーム評論家は「完全にゲームソフトの中にオーケストラがいる」とまで表現するほど、

とりあえず常識を覆すブッチギリでハイクオリティな音楽を搭載したソフトを、

スーファミ発売直後にぶっ放してしまったのです。

 

それはひとえに、古代さんが持ち合わせたソフトウェア/ハードウェアの知識があってこそ

成せる業だったのです。

 

この曲を聴け!~古代祐三編~

To Make The End of Battle(イースⅡ)

イースⅡのオープニングで流れる伝説の名曲です。

昔からのイースシリーズファンであれば、「イースといえばこの曲」でしょう。

 

イースという作品はもともとPC-88シリーズで発売されていましたが、

後にファミコンやPCエンジン、PS2などさまざまなハードに移植・リメイクされており、

当然楽曲も時代に合わせてアレンジされています。聞き比べるのもまた一興。

 

私が最も好きなバージョンは断然、PCエンジン版「イースⅠ・Ⅱ」に搭載されているバージョンですが、

今手に入れやすいのは「イース&イースⅡエターナル」のサントラです。

 

ゲーム自体も非常に面白く、ゲームアーカイブスで手軽にダウンロードできるので、

興味がある方はぜひPCエンジン版をプレイしてみてください。

消えた王様の杖(ソーサリアン)

横スクロールアクションRPG「ソーサリアン」は、

シナリオを自分で選びクリアしていくスタイルのゲームで、ウィザードリィをもっと

コンパクトでオムニバスな感じにまとめた名作です。

 

そして最初に選ぶシナリオの名前がこの「消えた王様の杖」。

 

こちらもアレンジ版が存在しており、原曲もレトロゲームらしさ溢れる素晴らしいものですが、

後に発売されたファルコムのベストアルバムに収録されているバージョンが、バイオリンを使った

なんとも日本人好みのゲーム音楽にアレンジされており素敵です。

 

そして原曲のすごいところは、電子音なのに「あ、このパートはバイオリンだ」って

素人でもわかるところです。

 

ちなみにこの「消えた王様の杖」シナリオ、メガドライブ版には収録されておらず…

がっかりした記憶があるユーフルカです。

フィルモア(アクトレイザー)

前述のとおり、業界サウンド関係者に落雷のような衝撃を与えたと言われる

スーパーファミコン初期の名作です。

 

神様となって荒廃した世界に秩序と安寧を取り戻していく、

アクションとシミュレーションが合体したゲームです。

 

ちなみに「フィルモア」は一面の名前。

作品全体としてはオーケストラ主体ですが、このフィルモアステージの曲はネオクラシカル・ロックな感じ。

ザ・古代祐三って感じの曲です。

次回は、カプコンとスクウェアの名作を担った下村陽子さん!

 


ここまで読んでいただきありがとうございました!
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