【DTMゲーム音楽講座】氷の洞窟や雪のステージっぽい音 シンセベルの作り方




氷の洞窟を表現する透明感のある音はシンセベル!

こんにちは、サウンドクリエイターのユーフルカ(@YouFulca)です。

 

 

よくRPGやアクションゲームに登場する氷の洞窟や、雪や氷に覆われた冬のステージ。

 

みなさんはそう聞いてどんなBGMを想像するでしょうか?

 

 

氷のきらめきや冬の寒く澄んだ空気の透明感を表す音として

 

往々にしてそのBGMに頻繁に用いられるのがこの「シンセベル」という音色です。

 

制作時間2分の曲ですがこんな感じ。

 

今回はそんなシンセベルの音の作り方を紹介します。

 

 

使用するのは、アナログモデリングのソフト音源!

シンセベルを作るのには、シンプルなアナログシンセをモデリングした音源が最適です。

 

ここでは、Cubaseに付属している「RETROLOGUE」というソフトシンセを使用します。

retrologue

 

 

もしCubaseを持っていない人は、有名なフリーソフトの「Synth 1」などで代用できます。

 

オシレーターが2系統以上のものを使用してください。

synth1

まずオシレータで波形を選ぼう

シンセベルはどんな波形でも作れますが、ここではまず

一番シンプルな波形「サイン波」で作っていきます。

 

まずオシレーター1(OSC1)のノブで一番左のサイン波を選択します。

retrologue

 

この時点ではこんな感じの音。

 

 

次に、オシレーター2(OSC2)でキラキラした音を追加します。

 

同じようにひとまずサイン波を選んで、横についているオクターブ調整ノブ(OCTAVE)を

 

目いっぱい右に回しましょう。これはOSC2は鍵盤の2オクターブ上の音になることを意味します。

 

retrologue

 

こうすることで、鍵盤のドを押すと通常のド(OSC1)と2オクターブ上のド(OSC2)が同時に出ます。

 

すなわち、この時点でこんな音になります。

エンベロープ(ADSR)で音の減衰を調整しよう

このままではまだベルには程遠い音です。

 

そこで、右側についているエンベロープ(ADSR)で、音の「減衰」を調整します。

 

 

なおこういった音そのものの減衰を調整する用途で使うADSRは、

 

FILTERではなく、AMPLIFIERと書かれている方のADSRですので間違えないでください。

 

retrologue

 

エンベロープはどんなシンセでも共通の項目なのでいったん覚えてしまえば

 

どんなシンセでも狙った音が作れるようになりますので、知らない人もこれを機に覚えましょう。

 

 

現時点の音だと、鍵盤を押している間ずっと鳴り続け、離すとすぐ止まるという音になっているはずです。

 

これを、鍵盤を押していても次第に減衰していき、離してもある程度鳴ってくれている音に変えます。

 

鉄琴の鍵盤やベル系の楽器をたたいた状態を想像してもらえるとわかりやすいかと思います。

 

一回たたくと手で押さえるまで「キイイィィィィ…ン……」と鳴るはずです。

 

こういった音を作るための機能がエンベロープ(ADSR)です。

 

 

A(Attack Time)音の立ち上がりの時間です。

 

弦楽器のような、だんだんとフェードインしてくるような音にしたいとき使います。

 

今回はベル系の音で、音は鍵盤を押してすぐ聞こえてほしいので、最低値です。

 

 

初期状態では、S(Sustain level)だけが最大値で、他が最低になっています。

 

S(Sustain level)これは鍵盤を抑えているときに鳴り続ける音の音量です。

 

 

その横にあるR(Release Time)を真ん中くらいまで上げてみましょう。

 

これが、鍵盤を離した後に減衰する時間です。

 

retrologue

 

こうすることで、先ほどの音がこうなります。

 

だいぶベル感が増しましたね!!

 

 

この時点だと、鍵盤を抑え続けていると「ポーーーーーー」と永遠になってしまうので、

 

最後にS(Sustain Level)とD(Decay Time)を調整します。

 

 

D(Decay Time)は、鍵盤を押している間に音がSの音量まで減衰していく時間です。

 

試しに、S(Sustain Level)をゼロにしてD(Decay Time)を最大にしてみると、

 

鍵盤を押さえ続けてもだんだんと音が無音になっていくのがわかると思います↓

 

S(Sustain Level)を50%にすると、音は50%まで減衰した後、永遠に鳴り続けます。

 

 

 

それでは、以下のような設定にしてみてください。

 

retrologue

 

A(音の立ち上がりの時間)とS(鍵盤を押し続けているときの音量)はゼロ。

 

D(鍵盤を押している間に減衰していく時間)とR(鍵盤を離した時の減衰時間)は943ms。

 

 

これは鍵盤を押していても離しても943msかけて消えていく音ということですね。

 

 

キラキラ感を足すためにさらにオシレータを調整

このままでもシンセベルにはなっているのですが、

 

もうちょっと澄んだ感じにしたいです。

 

そこで、試しにオシレータ2の波形を三角波(左から二番目)に変えてみましょう。

 

 

すると結果こうなりました。

 

いっきに澄んだ音になった気がします!!

 

 

さらに、もう少し高音域に音を足してみましょう。

 

オシレータ3(OSC3)にさらに一番右にあるパルス波を追加してみましょう。

 

パルス波は細かく音色を調整できるSHAPEノブを使えるため、とりあえず真ん中の50%に。

 

オクターブ調整もOSC2と同様2オクターブ上を選択。

 

retrologue

 

 

(この辺は正直狙っているというよりも、いろいろ音色を試してみたという感じです)

 

ここでちょっと工夫したのは、音程を微妙にずらしてちょっとだけコーラス感を出したこと。

 

Fineノブで、音程の微調整が可能なので、気持ち悪くない程度に適当にずらします。

 

 

そしてこうなりました。

 

いい感じの透明感!

 

 

リバーブ&ディレイで雰囲気作りして完成!

最後に、空間系のエフェクトを追加して雰囲気を出しましょう。

 

 

DAWについているプラグインなどでも構いませんが

 

ここでは「RETROLOGUE」についているディレイとリバーブを使います。

 

FXタブを開き、DELAYとREVERBのスイッチをONにしましょう。

 

retrologue

 

特にパラメータはいじらなくていいのですが、このままだとエフェクトが強すぎるので

 

MIXレベルだけ25%~30%程度に下げます。

 

これで、ひとまずは透明感のあるシンセベルの完成です!

 

あとは作りたい曲に合わせてディレイタイムやリバーブなどを調整していきましょう!

 

 

シンセベルのここが素敵

シンセベルはその名の通りシンセで作ったベルであり、グロッケンなどをシンセで表現したものです。

 

じゃあグロッケンでいいんじゃね?と思うかもしれませんが、

 

自分は明確に使い分けています。

 

シンセベルはシンプルな波形を組み合わせて作る分、物理的な金属音よりもはるかに澄んで

 

音程のわかりやすい音が出せます。また減衰やアタックも手軽に調整できるため、

 

非常に使い勝手が良いのです。

 

美しい氷の洞窟や神秘的な神殿など、ゲーム音楽に欠かすことのできないのシンセベル。

 

皆さんも是非いろんなシンセベル作りに挑戦してみてください。

 

動画解説

 

 

今回の記事で紹介したシンセベルはスタインバーグCubaseだけで制作可能です。

 

 

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